よい方法を、その学校のいつもの授業へ

AIと対話して自分の考えを整理し、友達との話し合いにつなげる。こうした授業に取り組んでいる先生方は、すでにいます。私たちが大切にしたいのは、その実践から学び、必要なときに自然に選べる授業の方法として育てていくことです。

2026年11月から、地方の公立中学校の先生方とともに、中学校2年生を対象とする約20コマの探究学習に取り組む予定です。テーマは「ドローンを活用した、私たちのふるさとの明るい未来の提案」。地域の人の話を聞き、課題を見つけ、技術の可能性を試していきます。

なぜ、よい実践が広がらないのだろう

ある授業でうまくいった方法も、別の学校ですぐ使えるとは限りません。生徒の経験、授業時間、端末の環境、先生が準備に使える時間は違います。「使い方は分かったけれど、明日の授業には入れにくい」ということもあるはずです。

そこで、完成した方法を持ち込むのではなく、先生方と一緒に授業の中で確かめます。問いを短くすると考え始めやすいか。AIを使う時間はどこまで必要か。困った生徒に先生が気づけるか。毎回特別な準備をしなくても続けられるか。広がりにくさの理由を、現場の条件から考えていきます。

すでにある方法を、もう一度つくってみる

同じ方法を試すことにも意味があります。「ここでは先に友達と話した方がよい」「この問い方なら自分の言葉が出てくる」。そうした気づきは、自分たちでやってみるからこそ見えてきます。

文部科学省も、一人ひとりに応じた学びと協働的な学びを一体的に充実させる方向を示しています。この方針は、今回の方法の効果を保証するものではありませんが、個人で考える時間と人との対話をつなぐ授業づくりの背景になります。文部科学省の資料

続けられる条件も、一緒に確かめる

約20コマでは、生徒がどんな考えを持ち、対話を通してどう考え直すかに目を向けます。同時に、先生の準備や支援の負担、他の授業でも使えそうかという点も振り返りたいと思っています。

毎時間AIを使うことが目標ではありません。必要な場面で無理なく選べること、使わない判断もできること。その学校で続けられる形を探すのが今回の取り組みです。成果を先取りせず、立ち止まった場面も含めて、学校の先生方や生徒たちと学んでいきます。

シリーズ「学校とつくる、日常の学び」

第2回:AIとの対話を、人との対話につなぐには

第3回:「もうあるアイデア」から、地域の探究が始まる